美味酔う会(月刊ビミー 10月号) ・・・2012.09.10

月刊ビミー10月号 vol.321 (2012年9月10日発行)

【情報と選択】

社会の高齢化・医療の高度化の影響で、国民医療費が増え続けている。2025年には今より10兆円以上の増加が予測されている。健康保険組合の財政も厳しい状況にあり、医療費の負担増に苦しんでいる。いつでも医療機関にかかれる日本の医療制度は、世界的にも恵まれた制度で、これを維持するためにも、今からできるところから節減しなければならない。

その一つとして期待されているのが、ジェネリック医薬品である。ジェネリック医薬品とは特許の切れた医薬品のことであり、これまで効果や安全性が実証されてきた新薬と、同等と認められた低価格な薬のことだ。しかし、日本の使用割合は、アメリカ・イギリス・ドイツの6割以上に比べて、約2割しかなく、これを3割にするのが目標だ。さらに、財務省の資料によると、先発医薬品(ジェネリック医薬品があるもの)をジェネリック医薬品に変えると国全体で1.3兆円の削減効果があるとも言われている。

複数の薬を服用している人や、長期服用が必要な人ほど、自己負担の差額が大きくなると、良いこと尽くめのように感じられるが、問題点もある。まず、新薬とジェネリック医薬品は、全く同じものではない。「効果は新薬と同等です」という表現がある。これは完全に同じということではなく、統計学的に±15%の範囲なので差がないということである。実は、薬の特許には「物質特許」以外にも「製法特許」や「製造特許」が存在して、それらすべての特許が切れていないものがある。つまり、有効成分は同じでも添加物が違うことにより、薬の溶け出す速度が変化して「効き過ぎ」や「効果が出にくい」という結果になる。また、剤形が違うと飲みやすさや味の違いが出てしまう。もちろん、改善してその逆の結果になっている薬もある。

マスコミは利点ばかりを宣伝するので、問題点に関しては医師や薬剤師に聞き、最終的には自分で決める。今や、「薬は自分で選択する時代」なのだ。
(長岡勝美)

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